日本は高齢化が進み、介護を必要とする家庭が年々増加しています。厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者のうち約6人に1人が要介護認定を受けており、介護生活を支えるための「介護用品」の需要は年々高まっています。 介護用品は、利用者の自立を支援するだけでなく、介助者の負担を大きく減らす役割を持っています。しかし「どんな商品を選べばよいか分からない」「レンタルと購入の違いは？」と悩む方も少なくありません。 この記事では、介護用品の種類や選び方、おすすめ商品について詳しく解説します。

介護用品の主な種類

移動をサポートする介護用品

• ・車椅子

自走型と介助型があり、用途や体力に応じて選べます。軽量タイプやコンパクト収納できるものは介助者にも人気。

• ・歩行器・杖

転倒防止に欠かせないアイテム。高さ調整や滑り止め加工の有無で使いやすさが変わります。

ベッドまわりの介護用品

• ・介護ベッド

電動で背上げや高さ調整ができ、利用者の体位変換を助け、介助者の腰への負担も軽減。

• ・ベッド柵

転落防止に必須。介護ベッドと組み合わせるとより安全性が高まります。

入浴・排泄を助ける介護用品

• ・シャワーチェア

安定した姿勢で入浴できるため安心。折りたたみ式やひじ掛け付きなど多様な商品が販売されています。

• ・ポータブルトイレ

移動が難しい夜間や在宅介護に便利。消臭機能付きのものも人気です。

食事・生活補助用品

• ・食事用エプロン

衣服の汚れを防止し、洗濯も簡単。撥水加工タイプは特に使いやすいです。

• ・自助具（スプーン・フォーク・食器）

握力が弱くても持ちやすい形状や、すくいやすい設計のものがあります。

介護用品の選び方ポイント

1.利用者の身体状況にあっているか

• ・筋力や関節の動き、バランス感覚を考慮して選びましょう。
• ・認知症の有無によっても適した商品は変わります。

2. 介助者の負担を軽減できるか

• 軽量、折りたたみ、電動機能付きなど、介助する側の体力的負担も考えて選ぶことが重要です。

3.レンタルと購入の違いを理解する

• 車いすや介護ベッドなど高額なものは、介護保険制度を利用したレンタルがおすすめ。
• 食器やエプロンなど日常的に使用するものは購入するのが一般的です。

おすすめ介護用品まとめ

車椅子

• ・軽量アルミ製で扱いやすいタイプ
• ・長時間利用に適したクッション付きモデル。

入浴補助具

• ・折りたたみ式シャワーチェア
• ・すべり止め加工の浴槽マット。

食事補助用品

• ・握りやすいユニバーサルデザインのスプーン・フォーク。
• ・滑り止め付き食器や、片手でも使えるカップ。

介護保険を活用した介護用品レンタル

要介護認定を受けた方は、介護保険制度を利用することで、介護用品を1割〜3割の自己負担でレンタル可能です。対象となる主な用品は以下の通りです。

• ・介護ベッド
• ・車椅子
• ・床ズレ防止用具
• ・手すり
• ・スロープ

購入前にケアマネジャーに相談し、レンタルできるものは制度を活用すると経済的負担を大幅に減らせます。

介護用品を選ぶ際の注意点

安全性を最優先

• 転倒や誤使用を防ぐため、必ず専門スタッフに相談する。

試用の有無を確認

• 購入前にレンタルやデモ機で試すと失敗が少ない。

長期利用を見据える

• 数年単位で使用することを考え、耐久性やアフターサービスもチェック。

まとめ

介護用品は利用者の生活の質を高めるだけでなく、介助者の負担を軽減する大切なアイテムです。

• ・移動・入浴・排泄・食事といった日常生活の場面ごとに必要なものを整理する
• ・利用者と介助者の双方にとって使いやすいものを選ぶ
• ・介護保険制度を活用して無理なく導入する

これらを意識すれば、より快適で安全な介護生活が実現できます。